
茶の湯の世界に惹かれて
茶道を始めて、かれこれ50年。大学生の時に始めたので版画制作とほぼ同じ年月が経ったことになります。無から有を生み出すのが芸術、数百年の歴史の中で脈々と受け継がれているのが茶道です。それぞれは補完する関係なので、私の人生にはなくてはならないものです。
茶道は単なるお作法の追及にとどまらず、そこに「おもてなしの心」があり、相手への思いやりがあってこそ意味があり長く続けるに値するのでしょう。
茶の湯の世界に身を置くことは、自己を内省する静かな時間をもたらし、人生を豊かなものにしてくれています。

照り葉と椿。茶花はひっそりとかつ凛と活ける

禅語が書かれていることが多い。短い言葉の中に深い意味が込められている

高麗卓に桶川の水差。棚の上にはぶりぶり香合と羽根が飾り置かれた初釜のしつらえ

11月はお茶の世界のお正月。炉を切って釜をかける。炉開きと呼ぶ

現在では使われない煙草盆だが、お茶会ではお正客様に出される

岐阜の鮎を模した銘菓。青もみじのお菓子と合わせ初夏の清涼感を表現

お茶事では一服のお濃茶を美味しくいただくために懐石料理が供される

天然忌には床の間に円相の軸と白いふようの花。お茶湯が点てられる

竹台子を使った歴史あるお道具組。天然忌のためのしつらえ

家元の箱書き付きのお茶入れと仕覆。古くて貴重なものなので、床の間で拝見する

お茶席に入る前に使う手水。手を清め、口元をすすぐ

お客様は腰掛待合でくつろぎながら、迎いつけを待つ

茶室入口は、昔、武士が刀を持って入れないようにするため小さくて狭い。にじって入る

家元の残月亭を模した茶室で、お茶の先生の喜寿を祝うお茶会が催された

「お出会い」といって拝見した器を正客が今一度あらためてから返す作法

お茶会ごとに亭主が趣向をこらし、テーマに合わせたお菓子を用意する

友人の日本画展の添え釜。絵を観にいらした方にお茶を点てお出しするミニ茶会

京都から取り寄せた珍しいお菓子。そこから会話が広がり座が和む
この出会いは二度とない。だからこそ、今この瞬間を大切にする。
和やかに、敬い、清らかに、静かに。茶道の心得です。
不完全なものの中に美を見出す。それが、わびさびの心です。
私の人生は多くの要素で構成され、それらは皆どこかで繋がっています。
木版画・きもの・器・料理・茶道、そして、心理カウンセラーまでもが、それぞれ呼応し高めあっていると感じます。
「人生、楽しまなければ」は私のキャッチコピーですが、何事も捉え方ひとつで見え方が違ってくるというのが現在の心境です。
どれも長いこと続けているものばかりですが、それぞれのジャンルをいつくしみ、毎日を丁寧に生きることが大切だと思っています。
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